Project Story

ストーリー02:白魦池・大府PA
Story02

新旧の仕事が、
街の風景をつくっていく。

道路に河川、橋梁、公園、宅地など
多岐にわたる建設土木工事を手がける花井組。
それは、街の風景をつくる仕事と
言い換えられるかもしれません。
90年という歩みのなかでは、
思いがけずかつての自分たちの仕事と再会し、
そこへ新たな足跡を刻むような仕事もあります。
ご紹介する「白魦池(しらはいけ)」と
「大府パーキングエリア」もまさにそう。
2つが一体となってひとつの風景を
つくりあげています。
各工事を担当した新旧メンバーに話を聞きました。

Member

  • T

    1968年入社

  • N

    1996年入社

  • S

    2017年入社

  • Y

    2003年入社

地域の憩いの場を守り継ぐ

春には桜が、夏から秋にかけてはスイレンが花を咲かせる大府市の「白魦池」。およそ30年前、花井組ではその「白魦池」の改修工事を行いました。当時、責任者を務めたTはこう振り返ります。
T:
「白魦池」は地域の方々の散歩コースになっている場所でした。しかし、一部岸が崩れるなど危険な箇所があったため、災害に備えて堤体や護岸などの改修工事を実施するにいたったのです。同時に池のスイレンを間近で見られるような、池を横断するデッキも設置。また、そこは農業用水としても使われていたため、より多くの水を貯めておけるようにヘドロの除去なども行いました。

その工事を入社1年目、初めての現場として経験したN。今でも鮮明に覚えていることがあると言います。

N:
とにかく初めての現場で目の前のことに必死だったように思います。Tさんに指示してもらって、なんとか作業を進めるものの飛び交っている専門用語がまず分からない。さらに、当時は東北から働きに来ている人もいたので方言が理解できず二重で苦労しました。

およそ3年かけて池の堤体や護岸、余水吐、デッキの工事が完了。住民の方々からは「こんなに素晴らしいものをつくってくれてありがとう」と感謝されたと言います。その約20年後、Tらが設置したデッキの架け替えを担当したのがS。しかし、Sは当初、そのデッキがかつて花井組の手がけたものだったとは気づいていなかったそうです。

S:
木製のデッキを撤去するところから始まったのですが、丈夫な堅い木が使われていたため作業が難航したんですね。それをたまたまTさんに話したら「あれ、俺がやったよ」って(笑)。そこで初めて新旧で担当していたことを知りました。基礎がしっかりしていて架け替え時もそのまま活かすことになったので、時を超えてTさんの確かな仕事に触れることができて誇らしい気持ちになりました。このときも工期中に地域の方々がよく話しかけてくださって、デッキがウォーキングコースとして地域に根付いていることを実感しました。

池を借景とした大府PA

デッキの架け替えが終わるころ、「白魦池」を借景に2022年5月のリニューアルに向けて工事が始まったのが「大府パーキングエリア(下り)」です。JVによる工事で総工費は3年で約10億円。メイン棟を隈研吾氏が設計するなど県内でも大きく注目されていた案件でした。その工事の責任者を務めたのが花井組のY。華々しい計画の一方で苦労も多かったと言います。
Y:
敷地内の構造物ひとつひとつはそんなに大きくないものの、土木のあらゆる工種がつまった案件でした。しかし、工事が始まっているにも関わらず発注者側との調整が続き、何も進まないまま時間だけが経過し不安と焦りが募りました。当初は工期延長の話もあがったのですが、様々な事情で工期は予定通り進められることに。夜間の工事なども駆使しながらなんとか間に合わせることができました。

この工事には「白魦池」の一部を埋めて、別の箇所を広げるという工程も含まれていましたが、過去に水道や農業用水も手がけてきた花井組だからこそ、スムーズに対応できたという背景もありました。

地域の協力あっての建設土木

現在、訪れる人や地域の人々の新たな憩いの場になっている「白魦池」と「大府パーキングエリア」。期せずして花井組の新旧の仕事がひとつの風景になっていることに、メンバーは感慨深いと口を揃えます。
S:
担当した現場は定期的に見に行きますね。この「白魦池」もそう。PAも含めて地域の方々がウォーキングされている姿を見ると嬉しくなりますね。
Y:
別々に担当した仕事が街の風景になっていくっていいですよね。工事の真っただ中はそんなことを考えている余裕はありませんでしたが(笑)。

今、この2つの仕事を花井組として振り返ったとき、やはり大切なのは「その地域に暮らす人々との関係づくり」だとTは言います。

T:
地域のみなさんがあっての私たちの仕事ですから。工事中も思わぬご迷惑をおかけしているかもしれません。ご協力に感謝しながら、そして工事のあと使っていただくことを見据えながら接していくことが大切だと思います。

花井組が動き、築かれていくのは建物やインフラなどの構造物だけではありません。そこには目に見えない、地域の方々との信頼関係も築かれているのです。

Works

工事履歴一覧

⇔ 横にスクロールしてください
年度(西暦) 工事名 発注者 工事内容
1995年度 築堤・余水吐工事 愛知県知多農林水産事務所 築堤盛土工、余水吐工
2018年度 親水施設改修工事 大府市 親水デッキ改修 L=82.4m
2019年度 愛知県有料道路運営等事業
大府PA(下り線)(仮称)新設工事の内 
土工・擁壁・舗装他工事
前田建設工業㈱
愛知道路CMr作業所
道路土工、法面工、舗装工、擁壁工、カルバート工、排水構造物工、防護柵工、区画線工、構造物撤去工、下部工、仮設工、上部工、付替水路、調整池
pagetop